MUGEN-SPC+74S



MUGEN-SPC+74S

設計思想 / audio concept

 目指した音は癖がなく音楽性の高い音です。音楽の魂やエッセンスを感じられる音。感情表現や生命感と言ったものが豊かに感じられるレベルの音を出すことを目的にしています。開発期間は2年。費やした試行と実験は212回で、ケーブルの方向性や撚りピッチやシールドの幅に至るまで細かいところまできっちり調整しています。


技術詳細 / Technology

 高音質を追及するためにMUGEN IDCのケーブルは幾つもの工夫がされています。ケーブルの音質は抵抗や、コイル成分、コンデンサー成分のみで決まるわけではありません。これらの要素は導線の断面積やケーブルの構造によって決まりますが、それ以外に導線や被覆材料のクオリティによっても左右されます。MUGEN IDCのケーブルはあらゆる要素を総合的に考慮することで高音質を達成しています。


  導体

 本製品にはUHD導体の単線導体が使われています。UHD導体は概ねの印象では比較的硬い線で扱いにくいということを除けば、音質は良い線ですね。
 また、撚り線ではなく単線を使っています。撚線は導体の表面形状が複雑なので、それによって電気信号が乱れます。つまり音質が低下します。電流の面で見ても撚り線は導体間の接触面が電子の流れを乱すので、この電流の乱れが音質を低下させます。これを解決するもっとも簡単な方法は接触面の存在しない単線を使用することです。  さらに導体表面の平滑度も音質に影響を与えるので超鏡面仕上げを行っています。研磨も細目から極細、超極細と3工程で行い超鏡面に仕上げています。これにより歪のない滑らかでスムーズな音質になります。


  絶縁体

本製品の絶縁体はテフロンです。電気特性が最も良いプラスチックです。絶縁材料も音質にかなりの影響を与えます。なぜなら電流(電子の流れ)は導線中を流れますが、電圧の変化は導線の外側の空間を伝わるので、絶縁材料は音質にかなり効きます。個人的な経験では導体よりも絶縁材料の影響の方が大きいですね。さらにテフロン絶縁体に加えて空間絶縁によって音質を上げています。


  オフセットダブルスターカッドの多芯構造

 本製品はMUGEN IDC独自の8芯のオフセットダブルスターカッド構造を採用しています。これはインダクタンスを減らす効果があり音質的に優位な差をもたらします。
                       

 またケーブルの分岐部分は行き線と帰り線が完全に分かれてしまうため、音質を劣化させやすい部分です。本製品では分岐部分のインダクタンスを改善するために特殊なカウンター撚りを採用しています。効果としては、単純に導線をレフトハンドやライトハンドで撚った場合と比べると、解像度で+3段、奥行きで+1mの向上、イメージングの向上、エネルギー感の向上、そしてほんのわずかですが音楽性も向上しました。導線を編み込むのに手間がかかることを除けばデメリットは全く感じなかったので、この方法を採用しました。


  導体の方向性管理

  導線には固有の方向性があり、方向性が合っていないとボーカルの口の大きさが肥大化して音の奥行き感が悪くなったり、透明感の無くなったり音がぼやけて詰まったような感じの音になります。また音色も不自然になってしまいます。
本製品では高音質で自然な音が得られる組み合わせにセッティングされています。


  シールド

 本製品ではアルミラップシールドが採用されています。シールドは実装方法によってかなり音が変わるのですが、試行錯誤で視聴を繰り返して、シールドの厚みから幅、ピッチ等々細かく調整して最適な音質が得られるようにしました。シールドは実装方法が悪いとかえって音が悪くなるのですが、うまく実装してやると、解像度ももちろん上がるのですが、定位感が良くなり実在感が上がりますね。実在感が出てくると「そこにある」という感覚が強くなるので、ボリュームを絞っても音が大きく感じますし、何より聞いていて気持ちのいい音になります。


  ケーブルの分岐部について

 ケーブルの分岐部分は行き線と帰り線が完全に分かれてしまうため、音質を劣化させやすい部分です。本製品では分岐部分のインダクタンスを改善するために特殊なカウンター撚りを採用しています。効果としては、単純に導線をレフトハンドやライトハンドで撚った場合と比べると、解像度で+3段、奥行きで+1mの向上、イメージングの向上、エネルギー感の向上、そしてほんのわずかですが音楽性も向上しました。導線を編み込むのに手間がかかることを除けばデメリットは全く感じなかったので、この方法を採用しました。


  その他

 本製品は方向性を考慮した設計をしています。そのため方向性を逆にすると音質が極端に低下します。方向性は分岐部の熱収縮チューブに矢印(AMP側 ⇒ SP側)として示されているので矢印に従って配線してください。

末端処理は標準では金メッキYラグ(オヤイデ GYT)仕様になります。
オヤイデ GYTを選んでいるのは首長の形状と音質(メッキの色ノリは少なめ。若干音を端正に鳴らす傾向はあるが、ケーブルの仕様によって音色がころころ変わるため、音色に対して支配的な癖はない。音質レベルは「純銅プレート+表面研磨+金メッキ」の仕様から予測される範囲内で、音質的なネガは基本的にはない。)からです。

※音質確認でプラグをアンプとスピーカーに接続しているためプラグに使用に伴う若干の傷が入ることがありますが、ご了承ください。


価格 / price

 価格(税込)は以下のようになります。

226 cm(ペア)  482,701円

272 cm(ペア)  506,576円

318 cm(ペア)  530,452円

364 cm(ペア)  554,327円

410 cm(ペア)  578,202円

音の良い長さに合わせてあります。対応可能な長さは410 cmまでです。 表示されている長さは保証の長さです。実際は表示より若干長くなります。
長さに比例して価格が下がらないのはハンドメイドで一品ものとして製作しているため、短く作ったとしても工数自体減らないからです。製作時間もそんなに減りません。2.0mのケーブルでも4.1mの7割弱の作業量でしょうか。
しかし、見方を変えるとメーター数が必要な方でもそれほど価格を上乗せしなくても購入できるメリットもあります。私の提供している価値は音であって、ケーブルの長さではありません。ですから基本的には音にお金を払っていると考えていただければと思います。


ケーブルについての使用上の注意

ケーブルを踏まないように気を付けてください。
ケーブルが変形して構造が崩れてしまうと音質に影響します。

※ ケーブルを鋭角に曲げないでください。
これもケーブルの構造の崩れを防止する為です。製品によっても異なりますが、おおよそ曲げ半径15cm以上(ケーブルで輪っかを作った場合直径30cmのループになる程度の屈曲度)で使用することを推奨します。
曲げ半径10cm(直径20cmのループ)でも構造が崩れないことは確認していますので、曲げ半径15cm(直径30cmのループ)以下に曲げてしまったからと言って、即、気にされる必要はありません。たとえばスペースの関係上、曲げ半径10cm(直径20cmのループ)程度の曲りが生じることはよくあることですし、私もその程度は許容しています。
曲げ半径15cm(直径30cmのループ)というのは、「ケーブルの負担が極めて小さい絶対安全圏、スペース上許されるならこの程度の屈曲度で使用したい」という理想的な基準です。
基本的にはケーブルの屈曲が緩やかであればあるほどケーブルの負担は小さいことを念頭に置いて使用していただければ問題ないと思います。

端子とケーブルの付け根部分(赤白のチューブが被せている部分)を無理やり曲げて接続しないでください。
空間絶縁されているケーブルの末端は酸化抑制のためシーリングされています。無理やり曲げるとシーリングが破れる可能性があります。
ケーブル分岐部のチューブを傷つけないよう注意してください。
ケーブル分岐部でチューブがむき出しになっていますが、カッターや鋭利な刃物などで傷をつけないよう気を付けてください。空間絶縁されているのでチューブに傷がつくと空気流入の原因になります。

ケーブルを抜き差しする場合、必ず端子の部分を持って抜き差ししてください。


製品の貸し出しについて